鳥取県(日本)、吉林省(中国)、江原道(韓国)の3県省道は、地域経済圏構想の設立を目的として、1990年代から近隣のロシア、モンゴル等とともに交流を深めている。
3県省道での交流は、吉林省及び江原道が1994年6月に友好/姉妹省道締結、鳥取県及び吉林省が1994年9月に「友好交流に関する覚書」(2017年に友好県省締結)、鳥取県と江原道が1994年11月に友好県道締結を行ったことにはじまる。
3県省道による定例行事として代表的なものは、2008年より持ち回りで実施されている「北東アジア産業協力フォーラム」であり、近年は毎年実施されている。また、3県省道が主要メンバーとなる形で、日中韓以外の地域交流メカニズムを運営していることも特徴である。
江原道の提案で創設された「北東アジア地域国際交流・協力地方政府サミット」は1994年から、「東アジア地方政府観光フォーラム(EATOF)」は2000年から開始され、毎年地方政府間の持ち回りで実施されている。
- 2008年〜:「産業技術交流協力協定」締結、「北東アジア産業協力フォーラム」持ち回りで開催
- 2006年の「北東アジア地方国際交流・協力地方政府サミット」で、先端科学技術交流の協力開拓を目的として2008年に鳥取県商工労働部長、吉林省科学技術庁長、江原道経済産業局長の間で「産業技術交流協力協定」を締結し、これに基づき、3県省道の間で「北東アジア産業協力フォーラム」が持ち回りで開催されている。
これまでの開催実績
回 | 日程 | 開催地 | テーマ |
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第1回 | 2008年 | 江原道春川市 | 北東アジアの先端産業技術交流協力事業の開拓 |
第2回 | 2011年 | 吉林省長春市 | 産業政策とインフラ建設のパラダイムシフト及び地域活性化、先端産業とグローバル交流協力、北東アジアンの都市(県省道)間の国際科学技術協力の推進 |
第3回 | 2012年 | 鳥取県米子市 | 生命工学、人材育成 |
第4回 | 2013年9月 | 江原道春川市 | 日中韓3か国の地方政府の戦略的産業活性化政策及び企業体の産業技術 |
第5回 | 2015年9月 | 吉林省長春市 | |
第6回 | 2016年9月 | 鳥取県米子市 | 新素材、地域の特色ある産業 |
第7回 | 2017年9月 | 江原道春川市 | 第4次産業革命時代のイノベーションにおける地方の参画 |
第8回 | 2018年9月 | 吉林省長春市 | 国際科学技術協力及び北東アジア地域のイノベーション復興 |
第9回 | 2019年10月 | 鳥取県米子市 | 食品分野の技術研究 |
第10回 | 2020年10月 | 江原道春川市(オンライン開催) | ポストコロナ時代に備えた科学技術及び産業パラダイムシフト |
第11回 | 2022年[予定] | 吉林省 |
- 第10回北東アジア産業技術フォーラム(写真提供:江原道)
- 2009年、2014年:友好交流周年事業
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2009年には、吉林省長春市にて、同省の友好交流地域である鳥取県、島根県、江原道との友好交流15周年を祝うため、7月に「日中韓国際文化美食祭」、8月に「日中韓青少年卓球大会」が実施された。
また、2014年には、友好交流20周年を祝賀するため、それぞれ二国間の記念行事が行われたほか、日中韓では、同年8月に吉林省にて同省の友好交流地域である鳥取県、島根県、江原道の「日中韓友好交流20周年記念青少年文化体験事業」が実施された。
また、同年10月に鳥取県にて、交流の歴史を振り返る写真展が実施され、江原道では、3県省道及びカナダ・アルバータ州(江原道の友好都市、40周年)の同様の写真展及び児童美術展が実施された。
- 1994年~:「北東アジア地域国際交流・協力地方政府サミット」
- 3県省道は、「北東アジア地方国際交流・協力地方政府サミット」の参加地方政府であるロシアの沿海地方及びモンゴルの中央県とともに、会議を持ち回りで毎年開催してきた。各首長が毎年一堂に会し、地域の発展や繁栄のための議論をしている。
これまでの開催実績
回 | 日程 | 開催地 |
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第1回 | 1994年11月 | 江原道・束草市 |
第2回 | 1995年11月 | 鳥取県・米子市 |
第3回 | 1996年11月 | 江原道・洪川郡 |
第4回 | 1997年8月 | 鳥取県・鳥取市 |
第5回 | 1998年8月 | 吉林省・長春市 |
第6回 | 1999年10月 | 江原道・束草市 |
第7回 | 2000年11月 | 鳥取県・米子市 |
第8回 | 2002年9月 | 吉林省・延吉市 |
第9回 | 2004年7月 | モンゴル・中央県 |
第10回 | 2005年11月 | 江原道・春川市 |
第11回 | 2006年8〜9月 | 吉林省・長春市 |
第12回 | 2007年10〜11月 | 鳥取県 |
第13回 | 2008年9月 | ロシア・ウラジオストク |
第14回 | 2009年7月 | モンゴル・中央県 |
第15回 | 2010年5月 | 江原道・平昌郡 |
第16回 | 2011年9月 | 吉林省・長春市 |
第17回 | 2012年4月 | 鳥取県 |
第18回 | 2013年10〜11月 | ロシア・ウラジオストク |
第19回 | 2014年7月 | モンゴル・中央県 |
第20回 | 2015年5〜6月 | 江原道・束草市 |
第21回 | 2016年8月 | 吉林省・長春市 |
第22回 | 2017年10月 | 鳥取県・倉吉市 |
第23回 | 2018年10月 | ロシア・ウラジオストク |
第24回 | 2019年7月 | モンゴル・中央県 |
第25回 | 2021年10月 | 江原道・江陵市(オンライン開催) |
第26回 | 2022年[予定] | 吉林省 |
- 2000年~:東アジア地方政府観光フォーラム(EATOF)
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東アジア地域の繁栄と各地域間の緊密な交流を進め、各地域間の国際観光交流の促進を図るとともに、協力して世界各地からの観光客誘致を図ることを目的に、江原道の提唱により2000年に創設された。EATOF事務局は江原道春川市に置かれている。
EATOFは国家別に地方政府1地域のみが加入可能である。加盟地域は、3県省道のほか、中央県(モンゴル)、ジョグジャカルタ特別州(インドネシア)、セブ島(フィリピン)、サラワク州(マレーシア)、クアンニン省(ベトナム)、シェムリアップ州(カンボジア)、ルアンパバン県(ラオス)の10か国10都市。総会は隔年で、常任委員会は毎年開催されている。
これまでの総会開催実績
回 | 日程 | 開催地 |
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第1回 | 2000年9月 | 韓国・江原道 |
第2回 | 2001年9月 | インドネシア・ジョグジャカルタ特別州 |
第3回 | 2002年9月 | フィリピン・セブ島 |
第4回 | 2004年9月 | 日本・鳥取県 |
第5回 | 2005年9月 | 中国・吉林省 |
第6回 | 2006年9月 | マレーシア・サラワク州 |
第7回 | 2007年9月 | タイ・チェンマイ州 |
第8回 | 2008年7月 | モンゴル・中央県 |
第9回 | 2009年9月 | 韓国・江原道 |
第10回 | 2010年9月 | ベトナム・クアンニン省 |
第11回 | 2011年9月 | フィリピン・セブ島 |
第12回 | 2012年11月 | カンボジア・シェムリアップ州 |
第13回 | 2013年10月 | ラオス・ルアンパバン県 |
第14回 | 2014年9月 | マレーシア・サラワク州 |
第15回 | 2016年10月 | インドネシア・ジョグジャカルタ特別州 |
第16回 | 2018年8月 | 日本・鳥取県 |
第17回 | 2020年[下半期に開催予定] | ベトナム・クアンニン省 |